コロナウイルスでPCR検査の陽性率が問題となっています。
うちでは今の所PCRなどはしていませんが、当院の見解を書かせて頂きます。
もともと、PCRというのは検査でいうと「ゴールドスタンダード」と呼ばれるものなんです。
例えば、インフルエンザに感染した人がいるとしましょう。
現在では、インフルエンザの迅速診断キットで陽性になると「確定診断」のような風潮があリますよね?でも少し違います。
迅速診断キットの感度、というのは、インフルエンザのPCR検査に比べてどれほどの正確さがあるか?を調べたものです。
たいてい、感度は80〜90%ぐらいなのです。
(5人に1人は間違った結果になるわけで、結構外れるんですね!)
インフルエンザや風邪ひきの原因菌、ウイルスの検査では、実はPCRが、一番正確なゴールドスタンダードになっているのです。
今回、コロナウイルスではPCRそのものが検査として最初から活躍しています。PCRはいったい、どの検査と照らし合わせて正確さを証明するのでしょうか?
正解は、PCRを超えるうウイルスの検査は無いので、PCRの精度は実はわからない、というものです。
ですので、検査をすべきではないとか、結果をどう使うかが問題だ・・という議論が行われています。
でもね。。実は身近に、同じような種類の検査があります。
胃カメラ、大腸カメラがそれです。
これらの検査は、先程ものべたゴールドスタンダードで、全ての検査の親玉です。便潜血が陽性であろうが、大腸カメラで病気がなければ無い!のです。
胃カメラ、大腸カメラの精度は、検査する人や患者さんの胃腸の状態で変わってきます。
僕が駆け出しの頃の胃カメラと、今の僕の胃カメラでは、機械の性能も僕の腕前も、月とスッポンほど違いますので、今のほうが精度は高いと思うんです。
胃カメラ全体でも、上手い下手で精度はかわるのに、検査としてはゴールドスタンダードなので精度の計算はできないんです。
胃カメラや大腸カメラをうけて、病気がないと言われたけど、まだ心配だ、という人がいたとしましょう。
でも、検査をした病院や医師のレベルなど、精度はわからない・・でも心配だ!どうしたらいいのか?
答えの一つは、「時間をあけて、再検査する」のです。
病気は進行していくので、時間をあけると見えなかったものが見えます。
内視鏡検査の賢い受け方は、繰り返すことなのです。
これによって、実は精度がどんどん上がっていきます。
コロナのPCRも、ゴールドスタンダードである以上、繰り返すしかありません。値段が高い検査ですが、リスクの高い方は1〜2週間ほど間をあけて(症状や状況によって期間はかわりますが)、2回以上はうけると結果の信頼度は非常に高くなると思われます。