食道がんとは
喉と胃をつなぐ約28cmくらいの食道にできる、悪性腫瘍(がん)のことを食道がんと言います。
食道の表面から発症しはじめて、進行すると深い層まで浸潤します。
粘膜内だけにあるものを早期食道がんと呼び、深い層まで進行しているものを進行食道がんと言います。
がんが進行すると内側から外側に向かい、粘膜上皮、粘膜固有層、粘膜筋板、固有筋層の順に浸潤していきます。
リンパ節や他の臓器に転移することもあります。
食道がんの原因
食道がんの原因は過度の飲酒や喫煙と言われています。
飲酒との関係では、アルコールが体内で代謝されてできる、アセトアルデヒドが発がん性物質と知られています。このアセトアルデヒドを分解するための酵素の働きが弱い人は食道がんになりやすいことがわかっています。
少量の飲酒ですぐに顔が赤くなる人がだんだん慣れてきて、飲酒量が増えると、食道がんになるリスクは通常より高くなります。
食道がんの症状
食道がんの症状は初期症状がないことがほとんどですが、食道がんが進行すると、飲食時の胸の違和感や食べ物がつっかえる感じ、胸や背中の痛みなどが起こります。
食道がんの検査方法
食道がんの検査は主に2つあります。
上部消化管造影検査(バリウム食道透視検査)と内視鏡を使った食道内内視鏡検査です。
上部消化管造影検査(バリウム食道透視検査)
食道・胃・十二指腸をチェックする検査です。
X線を連続して照射しながら行います。
バリウムは、X線を透過しないので、食道から十二指腸へ流れていく様子を動画で確認することができます。
バリウムの流れ=私たちの食事の流れとなり、食道や胃、十二指腸が狭くなっていないか見ることができます。
胃の粘膜についてもバリウムを粘膜に付着させることで胃潰瘍やがんによる粘膜の凹凸の有無の確認が可能です。
内視鏡検査
内視鏡検査では、粘膜の色や凹凸などを直接観察します。
異常な部分の組織を採取し、顕微鏡でがん細胞の有無を確認して、がんを確定します。
がんの位置や広がり、数、深さを画像を見ながら確認します。
広がりや深さを診断しやすくするため、特殊な色素を粘膜に散布したり、画像に映るがんを際立たせます。
食道がんの治療法
内視鏡的治療、手術、放射線療法、薬物療法などがあります。食道がんでは、これらを組み合わせ治療を行います。
多くの食道がんの患者様は、いくつかの方法を組み合わせて治療を進めます。これを集学的治療と言います。特に進行したがんや、他の臓器にもがんが発生している患者様では、治療効果を高めるために行われます。